車両保険を使うor使わない?どのように決める?【4パターン】

which 事故対応

「保険を使うべきか、使わないほうがいいのか判断できない…」

「保険を使うと保険料はいくら上がるの?」

 

上記のような疑問にお答えします。

 

事故で車両保険を使うと、3年間は保険料が上がってしまいますよ。

 

なので増加保険料と修理代を比較して、損しないほうを選ぶのがよいですかね。

あといつまで車に乗るつもりなのかというもの重要です。

 

お伝えしたいことをまとめたら長文になってしまいまいた。

はてなブックマーク等を活用していただき、お時間あるときに拾い読みしていただければ幸いです。

 

✔この記事の内容

・車両保険は使うべきor使わない?

・車両保険の等級を確認しよう

・いつまで車両保険に入る?

 

車両保険を使うor使わない?

which

車両保険を使うべきor使わないべきかは、増加した保険料と修理代金の比較でできます。

また事故で廃車する…というときも車両保険は適用できますよ。

 

下記のケースごとに考えてみました。

 

  1. 事故の修理代が20万円以上で、高額なとき
  2. 事故の修理代が数万円程度で、少額なとき
  3. 車の廃車を決めたとき
  4. 車を買い替えるとき

 

1、事故の修理代が20万円以上で、高額なとき

基本的には、修理代20万円を超えると車両保険を使ったほうが有利になりますよ。

 

たとえば年間保険料が10万円で15等級の方が、事故で車両保険を使った時の保険料をシミュレーションしてみました。

 

等級 保険料 等級 保険料
次年度 事故あり12等級 149,000円 無事故16等級 98,000円
2年後 事故あり13等級 145,000円 無事故17等級 96,000円
3年後 事故あり14等級 141,000円 無事故18等級 94,000円
4年後 無事故15等級 100,000円 無事故19等級 92,000円
5年後 無事故16等級 98,000円 無事故20等級 76,000円
6年後 無事故17等級 96,000円 無事故20等級 76,000円
合計額 729,000円 合計額 532,000円

ソニー損保で試算。

 

車両保険を適用した場合では、

 

  • 3年間で147,000円
  • 6年間で197,000

 

保険料が増加しました。

 

ということは「あと3年くらいしか車は乗らないかな?」という場合では、修理代が15万以下のときは保険を使わないほうが有利ですね!

 

6年以上車に乗る予定があるなら、修理代が20万円以下までは保険を使わないほうが有利

 

こんな感じで、①増加保険料と修理代金の比較だけではなくて、②いつまで車に乗るつもりなのかまで考えればもっとも有利な金額がわかりますよ

 

3年間と6年間で保険料増加額が違う理由

3年間と6年間で保険料増加額が違う理由は、等級が高いほうが割引率も高いから

 

特に無事故で20等級になると、割引率は▲63%。

19等級では55%なので、8%も違いますよ。

 

このあたりは後半に詳しく説明しますね!

 

2、事故の修理代が数万円程度で、少額なとき

今後も車に乗るのであれば、保険を使わないほうが有利です

 

保険を使ってしまうと、3等級もダウンしてしまうので割引率も下がります…

 

とくに20等級の方は保険を使わないほうがいいですよ

20等級と19等級では割引率が8%も違うので

 

いっぽうで「あと数年で車をやめるかも」という方は保険をつかってしまってもOKです。

 

ただし、自動車保険の等級は家族に引継ぎができるので全体として考慮する必要もありますね。

 

いま20等級で家族で車を乗る人がいるなら、その方に等級を継承したほうが有利になるので。

 

基本的には、修理代が数万円なら保険は使わないようにしましょう。

 

修理工場の本音…

じつは、車屋や修理工場としては保険で修理がしたいので、たとえ少額の修理であっても「車両保険を使ったほうがいいと思いますよ」とアドバイスされるかもしれません。

 

というもの、保険で修理するなら修理代金を確実に回収できるからw

 

車の修理代をすっと出させるほど今の日本は景気がよくないですよね。

なので修理工事としては、保険があるなら積極的に使ってほしいと考えます。

 

たしかに手元にお金がないときは、保険で直したほうがラクですし、金利分も考慮すれば、どっちが有利かは微妙になります。

 

3、車の廃車を決めたとき

事故で廃車を決めるときもありますよね?

 

廃車するときにも車両保険は適用できますよ。

 

全損と認定されれば、修理するしないにかかわらず、

 

  1. 車両保険金額(協定保険価額)
  2. 全損時諸費用保険金

 

が支払われます。

 

廃車になるほどの事故なら絶対保険を使いましょうw

 

ちなみに車両保険を使いケースで廃車をするときは、基本的に保険会社が車を回収しますよ。

念のため確認しておくといいと思います。

 

全損と認定されるには?

保険会社が支払うと認めた保険料が、車の時価より低ければ、全損として扱われます。

 

ではなにをもって保険会社が時価を算定するかというと、「レッドブック」を参照しています。

 

レッドブックの時価では、ネットで売られている車両売買価額とけっこう金額に差があります…

このあたりは裁判とかで争う話なので、個人ユーザーでは泣き寝入りするしかないですかね…

 

もし車が大きく損傷してしまったときは、「全損になったほうが有利だ」と覚えておきましょうw

 

4、車を買い替えるとき

車を廃車にはしないけれど、修理ではなくて、新しいものに買い替えたいときもあります。

 

そういうときでも車両保険は使えます。

 

①修理するよりも、新しく車買ったほうが安上りのときがありますし、②それに事故歴のある車を保有しても今後売ることもできないですし。

 

ただし保険料で車を買い替えるときは、支払われる保険料が買い替え価額よりも低いケースもあります…

 

こういう時に特約があれば補えますけど。

 

修理なら55万、買い替えなら20万??

私の修理工場ではあった事例なのですが、「修理なら55万円、買い替えなら20万円払います」と保険会社からいわれたことがあります。

 

ようするに、20万円で中古車を買うか、いまの車を55万円以内で修理するかというはなしです。

 

全損は認めてくれなかったので、、、けっこうひどい扱いをうけましたが、修理することになりました。

 

けっきょく20万円では新しい車は買えなかったので。

 

こんな感じで保険会社から交渉されることもあります。

できれば弁護士特約はつけおいたほうがいいと思います。

 

以上までが、車両保険を使うor使わないの解説でした。

 

ここからは車両保険の等級やいつまで車両保険に入るべきかという話しを解説しようと思います。

 

等級を知っていれば、毎月の支払額を節約できますし、保険を使うべきか否かの判断もできるようになりますよ。

 

車両保険の等級を確認しよう

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自動車保険には等級があり、等級が上がるにつれて保険料の割引率が高くなります。

最初は6等級からスタート

 

で、保険を使わなければ毎年等級が1ずつアップする仕組み。

 

まずは等級ごとの割引率を見てましょう。

 

等級制度の保険料割増引率
等級 事故有 無事故 差額
20等級 -44% -63 19%
19等級 -42% -55% 13%
18等級 -40% -54% 14%
17等級 -38% -53% 15%
16等級 -36% -52% 16%
15等級 -33% -51% 18%
14等級 -31% -50% 19%
13等級 -29% -49% 20%
12等級 -27% -48% 21%
11等級 -25% -47% 22%
10等級 -23% -45% 22%
9等級 -22% -43% 21%
8等級 -21% -40% 19%
7等級 -20% -30% 10%
6等級 -19% -19% 0%
5等級 -13% -13% 0%
4等級 -2% -2% 0%
3等級 12% 12% 0%
2等級 28% 28% 0%
1等級 64% 64% 0%

出典 損害保険料率算出機構 自動車保険参考純率改定説明資料

 

上記のように、等級があがるほど、割引率が高くなっているのがわかります。とくに20等級と19等級では割引率が8%も違います。

 

なので20等級までいけば、保険料がぐっと抑えられるということですね。

また事故をしてしまうと、事故あり係数が適用されるので割引率が大きく下がります。

 

差額でみてみると、だいたい20%割引率が変わりますよね?

 

等級が低い6とかだと、事故あり係数はないので割引率には影響ありません。

ただし等級はしっかり下がりますw

 

1、事故で下がる等級数は?

じつは事故の種類によって、下がる等級数がかわります。

 

事故の種類 事故の具体例
ノーカウント事故 人身傷害保険事故、搭乗者傷害特約事故、弁護士費用特約事故

ロードアシスタンス特約事故、個人賠償責任特約事故

1等級ダウン事故 いたずらや車両盗難により車両保険のみ支払われる事故
3等級ダウン事故 ノーカウント事故および1等級ダウンに該当しない事故

 

カンタンに説明しときますね。

 

ノーカウント事故

ノーカウント事故は、等級に影響がないので、適用したとしても翌年の等級はきちんとあがります。

 

ノーカウント事故の具体例としては、

 

  • もらい事故で保険会社が示談交渉できない場合に弁護士特約を利用した場合
  • 事故を起こした相手側が、無保険車で無保険車傷害特約を利用した場合
  • 自転車に乗って対人事故を起こしたなど、個人賠償特約を利用した場合

 

などですね。

 

等級に影響がないので、ためらわらずに活用しましょう。

 

1等級ダウン事故

1等級ダウン事故はいたずらや盗難などにあったときに車両保険を適用したときに該当します。

 

自身の過失によらないので、下がる等級数が1だけになります。

 

具体例としては、

 

  • 車両が盗難に遭った場合
  • 落書きなどのいたずらで車両が破損した場合
  • 台風や竜巻などの自然災害で車両が破損した場合

 

ですね。

 

3等級ダウン事故

上記以外はすべて3等級ダウン事故ですね。

まあほとんどが3等級ダウン事故だと思っていきましょう。

 

具体例は、

  • 当て逃げに遭い、車両保険を利用した場合
  • 人身事故を起こし、対人賠償保険を利用した場合
  • 他人の車や店舗、家屋に車をぶつけて対物賠償保険を利用した場合

 

このように等級の決まりはけっこう複雑です。

 

さらに等級はご家族の自動車保険に継承(引継ぎ)することもできますよ。

つづいてはその話し。

 

2、自動車保険の等級は継承や掛け替えができます

自動車保険の等級は、家族や親族(同居)に継承できます

ただし、家族も親族も同居が条件に含まれていることがあるので確認してください。

 

どのようなケースで自動車保険の継承をするのかご紹介します。

 

たとえば子供が新車を買い、6等級から車両保険に入るとしますね。

このときに、親と子供の等級を入れ替えることで、全体の自動車保険料を節約できます。

 

ケース1:子供が新規で保険に加入した場合 ケース2:親の等級を引き継いだ場合
等級 保険料 等級 保険料
20等級 40,000円 6等級 87,000円
子供 6等級 150,000円 子供 20等級 68,000円
合計 190,000 合計 155,000

割引率から試算しております。詳しくは保険会社ごとのシミュレーションをお試し下さい。

 

上記のケースですと、自動車保険の等級を継承することで年間35,000円節約できました

 

このように見ていくと、車を乗り続けるのであれば、自動車保険の等級には資産性がありますよね!

 

20等級までいくには、最低でも14年はかかりますし。

しかも等級はほかの保険会社に掛け替えても引き継がれます。

 

3、等級はほかの保険会社に掛け替えOK

たぶんご存じなかった方もおられると思いますが、等級はほかの保険会社に掛け替えができます。

 

たとえば東京海上で等級が20の方が、ソニー損保やチューリッヒに自動車保険を掛け替えても、等級は20のまま。

 

ただし共済系の自動車保険だと引継ぎができないケースがあるので、保険会社に確認してみてください。

 

最後に、いつまで車両保険に入るべきなのか考えてみましょう。

 

いつまで車両保険に入り続ける?

until

新車購入時に車両保険をつけた方でしたら、3~5年ぐらいまででいいと思います。

 

なぜかというと、年数が経過するにつれて、全損のときに支払われる保険料が少なくなるから

 

たとえば10年まえに500万円で購入したアルファードで全損事故をしたとして、車両保険金額(協定保険価額)が30万円とかだったらどうでしょう?

 

こんな金額ではアルファードを買い替えることはできませんよね…

 

ということは、車両保険のやめるか検討すべきというわけです。

 

もちろん、事故だけではなくて、自然災害のリスクも考えて「車両保険にははいっておきたい」という方もおられると思いますが。

 

なにはともあれ、自動車保険は毎年更新なので、そのたびにほんとうに加入し続けるべきなのか検討するといいと思います。

まとめ:車両保険を使うべきか使わないべきかきちんとシミュレーションしてみましょう

車両保険を使うか使わないかの判断基準としては、

 

  1. 増加保険料と修理代金の比較
  2. いつまで車に乗るつもりなのか

 

を検討すると、どちらが有利なのか判断できましたよね?

 

私の経験上、車両保険で支払われる金額は10~20万円が多いですね。

というもの保険会社からしてみれば、保険料を増加すれば、3~6年くらいでチャラにできるから。

 

保険会社も商売なので、いくらこっちが毎月保険料を払っていたとしても、実際に支払う保険料はしぶってきます

 

このようなときに役立つのが弁護士特約なので、入っておいたほうが無難ですね。

 

あと等級は資産性がありました

誰に高い等級をつけるのか毎年検討すべきですね。

 

たったこれだけで年間数万円の節約になりますので。

 

長文でしたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

何か質問等ありましたら、Twitterかコメントをいただければお答えします。

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